【矯正後の重要ステップ】リテーナーの装着時間や保定期間ってどのくらい?|名古屋駅の歯医者|名駅ファイン歯科・矯正歯科

〒450-0002
愛知県名古屋市中村区名駅4丁目8
エニシオ名駅6階

名古屋駅出口徒歩1分

土日診療

ブログ BLOG

【矯正後の重要ステップ】リテーナーの装着時間や保定期間ってどのくらい?


矯正治療で整えた歯並びは、「治療が終わった!」といって装置の装着をすぐに終わらせてしまうと、安定していきません。治療直後は歯や歯ぐき、顎の骨がまだ不安定で、放っておくと歯が元の位置に戻ってしまう可能性があります。


そこで必要になるのが「リテーナー」と呼ばれる装置です。リテーナーを正しく使用することで、きれいな歯並びを長期的に維持できます。本記事では、リテーナーの特徴や装着時間、保定期間、注意点などを詳しく解説します。


■保定期間で使うリテーナー(保定装置)とは?


◎リテーナーの役割

リテーナーとは、矯正治療で移動させた歯をその位置に安定させるために用いる「保定装置」です。


歯は歯根膜(しこんまく)や歯槽骨(しそうこつ)といった組織によって支えられていますが、矯正直後はこれらの組織がまだ再構築の途中にあり、不安定な状態です。


特に骨のリモデリング(骨の吸収と新生のサイクル)が完了するには数ヶ月から数年を要するため、その間は歯が元の位置へ戻ろうとする傾向があります。


リテーナーを用いることで、歯並びを物理的に保持し、歯ぐきや顎の骨が安定するまでサポートする役割を果たします。


◎リテーナーの種類

リテーナーには大きく分けて「可撤式」と「固定式」の2種類があります。


  • マウスピース型(可撤式)

    透明な樹脂で作られており、審美的に目立ちにくいのが特徴です。食事や歯みがきの際には取り外せるため、清掃性に優れています。その一方で、装着を怠ると十分な効果が得られないことから、患者様の自己管理が欠かせません。


  • ワイヤー型(固定式)

    前歯の裏側に細いワイヤーを接着して固定するタイプなどもあり、装着忘れの心配がありません。長期間にわたり安定した保定効果が得られる反面、歯みがきの際に清掃しにくい部位ができるため、むし歯や歯周病のリスクに注意が必要です。


リテーナーにはそれぞれに利点と欠点があり、患者様の歯並びの状態や生活習慣、ブラケット矯正やマウスピース矯正といった治療法との相性を踏まえて、歯科医師が適切なタイプを提案します。


■リテーナーは1日何時間装着するの?


◎初期は長時間の装着が必要

矯正装置(ブラケット矯正やマウスピース矯正)を外した直後は、歯が非常に動きやすい時期です。そのため、最初の半年〜1年は、矯正期間と同じように1日20時間程度の装着が推奨されます。食事や歯みがきの時以外は、できるだけ常に使用することが大切です。


◎徐々に装着時間を短縮

歯や顎の骨が安定してくると、就寝時だけの装着でもよい場合があります。多くの場合、2年目以降は夜間8時間程度の装着で維持可能になります。ただし、患者様ごとの歯並びの状態によって装着時間は異なるため、歯科医師の指示に従うことが大切です。


■保定期間はいつまで?


保定期間は個人差がありますが、少なくとも2〜3年は必要とされています。特に成長期のお子様は、歯並びが変化しやすいため、より長い保定が求められることもあります。


また、成人の患者様でも歯周組織の安定には時間がかかるため、長期的な装着が望ましい場合があります。中には半永久的に就寝時のみリテーナーを使用することで、美しい歯並びを維持している方も少なくありません。


■リテーナーを使わないとどうなる?


◎後戻りのリスク

リテーナーを使用しないと、矯正によって移動させた歯が元の位置へ戻ろうとする「後戻り」が起こりやすくなります。


これは、歯の周囲を支える歯根膜や歯槽骨(顎の骨)がまだ完全に再構築されていないためです。矯正直後は骨のリモデリング(新しい骨の形成と古い骨の吸収)が活発に行われています。


この過程が安定する前に装置を外すと、歯は元の方向に力を受けてしまいます。特に最初の半年〜1年は組織が不安定なため、短期間で大きな変化が生じることもあります。


◎噛み合わせや口腔機能への影響

歯の位置がズレると、見た目の歯並びだけでなく、噛み合わせ全体のバランスも崩れてしまうことがあります。これにより、顎関節に余分な負担がかかり、顎関節症の症状(関節雑音や開口時の痛みなど)を引き起こす可能性があります。


また、歯の接触関係が不均等になることで、一部の歯に過度な力が集中し、歯ぐきや歯槽骨の炎症、さらには歯の破折や揺れを招くこともあるため、十分な注意が必要です。


さらに、歯列が乱れることで歯磨きがしづらくなり、清掃不良から歯垢(プラーク)や歯石が蓄積しやすくなります。結果としてむし歯や歯周病のリスクが高まり、矯正で得られた口腔内の健康が損なわれる危険性があるのです。


■保定が終わったらリテーナーは使わなくていい?


一定期間の保定を経て歯が安定した後も、生活習慣や加齢による変化で歯並びが動く可能性は残ります。そのため、「もう必要ない」と完全にやめるよりも、就寝時だけでも続けることが望ましいケースがあります。


特に自費診療で矯正治療を受けた患者様は、長期的な歯並び維持が治療の価値を高めることかと思います。こうしたことからリテーナーの使用をやめるかどうかは、必ず歯科医師と相談して決めるようにしましょう。


■まとめ


矯正後のリテーナーは、整えた歯並びを守るための大切な装置です。リテーナーの装着時間は、治療直後は1日20時間前後、その後は夜間だけと徐々に減らすのが一般的です。


保定期間は2〜3年を目安とし、場合によっては半永久的に必要になることもあります。リテーナーを怠ると後戻りや噛み合わせの不調を招く可能性があるため、指示を守って正しく使用しましょう。


不安があれば、名駅ファイン歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。


名駅ファイン歯科・矯正歯科
院長 歯科医師
⇒院長の経歴はこちら