インプラントは、歯を1本失った症例からすべての歯を失った症例まで、幅広く適応できる治療法ですが、いくつか適応外となるケースがあります。いわゆる難症例と呼ばれるもので、患者様の中には他院で「インプラントはできない」「インプラントは難しい」と言われた方もいらっしゃるかもしれません。
そうした難症例でも「骨造成(こつぞうせい)」を行うことで、インプラント治療が可能となる場合もあります。
今回はそんなインプラントができない・難しいと言われる難症例や適応を可能とする骨造成について、名古屋市中村区の名駅ファイン歯科・矯正歯科がわかりやすく解説をします。
目次
■インプラントができない難症例とは?
インプラントができないケースとしては、主に以下の3つが挙げられます。
【ケース1】顎の骨の幅・高さ・奥行きが足りない
インプラントと従来法(入れ歯・ブリッジ)の決定的な違いは、人工歯根の有無にあります。入れ歯やブリッジは、残った歯や粘膜に装置を被せる・乗せることになるため、顎の骨の状態によって治療の可否が決まることはほとんどありません。
一方、インプラントは、顎の骨に触接埋めるチタン製の人工歯根が土台となるため、顎骨の幅や高さ、奥行きなどが重要となります。この状態が加齢や歯周病、外傷などで悪くなっている方はインプラントできないと診断されることもあるのです。
【ケース2】重度の歯周病を患っている
歯周病は、顎の骨を破壊していく病気なので、今現在この病気を患っている方はインプラントできないと言われてしまうことも。特に重度の歯周病にかかっている場合は、その治療を優先する必要があります。ただ、歯周病治療によって歯ぐきや顎の骨の状態が良くなれば、インプラントができるようになるかもしれません。
【ケース3】手術に支障をきたす持病を持っている
インプラント手術では、歯ぐきをメスで切開したり、顎の骨にドリルで穴を開けたりする外科処置を伴うことから、全身の健康状態も重要となります。
例えば、患者様の体への負担が大きい処置を受けることで血圧や呼吸、心拍などが大きく変化しかねない高血圧症や糖尿病を患っている方は、インプラントできないと判断されてしまうこともあります。
その他、脳梗塞の既往があったり、腎疾患にかかっていたりする場合も手術中・手術後に支障をきたす可能性も否定できないため、インプラント治療の適応は慎重に検討されることになります。
これらのケースはそれぞれの病気の治療を継続しつつ、医科と緊密に連携することでインプラントを適応できることが多いです。
■骨が足りない難症例への対処法
骨が足りないことでインプラントできない状態にある患者様に対しては、骨造成をご提案することがあります。骨造成とは、骨が欠損している部分に骨補填材などを入れて再生をはかる治療法です。インプラントの難症例に適応される骨造成には、主に以下の3つが挙げられます。
◎ソケットリフト
ソケットリフトは、上の奥歯の骨の高さが足りないケースに適応される骨造成です。骨不足が比較的軽度の症例が対象となります。
◎サイナスリフト
サイナスリフトも上の奥歯の骨の高さが足りないケースに適応される骨造成です。骨不足が中等度から重度の症例が対象となる点がソケットリフトと異なります。
◎GBR法
主に下の顎の骨欠損に適応される骨造成で、骨の高さだけでなく幅も回復できます。前歯部分の骨造成でもGBRが行われます。
■まとめ
今回は、インプラントができない・難しいと言われた方に向けて、難症例でも治療が可能になる骨造成を解説しました。
顎の骨が足りないことでインプラントできないケースには、骨を造り出す治療を行えば、適応可能となることも少なくありません。当院は骨造成にも対応していますので、ご不明な点があればお気軽にご相談ください。