入れ歯は、年齢が高くなってから使うものというイメージが強いかと思いますが、インプラントはどうでしょうか?
どちらも失った歯を補うための装置ですが、そこで気になるのがインプラント治療の年齢制限や何歳から受ける人が多いのかという点です。特に若い人やご高齢の人は、自分でもインプラントできるのか不安に感じているかもしれません。
今回はそんなインプラント治療が何歳から可能で、何歳になると難しくなるのかについて、名古屋市中村区の名駅ファイン歯科・矯正歯科がわかりやすく解説をします。
▼インプラント治療に年齢制限はありません
結論からお伝えすると、インプラント治療には「何歳から何歳まで」という年齢制限はありません。基本的には、年齢に縛られない歯科治療なので、関心のある方は歯科医院に相談することをおすすめします。
ただし、厳密な話をすると一種の年齢制限があるといっても間違いではなく、下限と上限には少し注意が必要となります。
▼インプラント治療は何歳から受けられる?
インプラントは治療の性質上、発育期の子どもに適応されることはあまりありません。
なぜならインプラントは、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込むため、子どもの年齢によっては、歯および顎の骨の発育を妨げてしまう可能性があるからです。
そのため、子どもが何らかの理由で歯を失った場合は、多くのケースではブリッジやインプラントといった固定式の装置ではなく、入れ歯に代表される着脱式の装置を一時的に装着します。
ちなみに、永久歯列が完成し、顎の骨の発育も完了した段階であれば、10代(18歳以降)でも20代でもインプラント治療は可能となります。
▼インプラントは何歳まで治療可能?
インプラント治療の年齢的な下限がわかったら、上限も気になることでしょう。こちらも基本的に年齢的な上限は設けられていません。
実際、70代、80代になってからインプラント治療を受ける方はたくさんいます。ただ、2022年に厚生労働省が行った「歯科疾患実態調査」の結果を見ると、インプラント治療を受けた方は70代でピークを迎えていることがわかります。
インプラント治療を受けた人の年代別の割合は以下の通りです。
20代:2.6%
30代:1.3%
40代:0.7%
50代:6.1%
60代:8.1%
70代:9.8%
80代:7.8%
インプラント治療を受けている人が30代、40代より20代の方が多いという点で、疑問に感じる方が多いかと思いますが、このデータはブリッジや入れ歯といった補綴物全般を調査した結果なので、読み方に少し注意が必要です。
まず、20代でインプラント治療を受けている人が多いのは、失った歯の治療法として、ブリッジや入れ歯を選択しない傾向が強いからです。見た目や機能性を考えて、従来法ではなくインプラントを選ぶ20代の人が多くなっているのでしょう。
30代、40代ではブリッジや入れ歯で治療した人の数が圧倒的に多くなっています。50代以降もブリッジや入れ歯を入れている人が大半を占めるのですが、同時にインプラントで治療する人が若年者よりも多くなっているのが特徴的です。
この結果からもインプラント治療に年齢制限がないことがよくわかります。そして、統計のデータ上は70代でインプラント治療する人が最も多く、50代以降でその数が急速に増加するといえるでしょう。
しかし、インプラントは年齢が高くなるほど、治療に伴うリスクも高まる点に注意しなければなりません。
▼高齢の方のインプラント治療について
インプラント治療では、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む手術を行わなければなりません。そのため顎や全身の健康状態が治療の可否や結果を大きく左右するといえます。
高齢になると、顎の骨が痩せたり、重篤な全身疾患を患ったりすることから、インプラント手術を安全に行えなくなる可能性が高まります。
無事に手術が終わったとしても、インプラントが顎の骨に定着しない、あるいは治療後数ヶ月でインプラントが脱落してしまったなど、これ位の人は年齢が若い人よりも失敗するリスクが高くなる点に注意してください。
もちろん、70代、80代でも何ら問題なくインプラント治療を行えるケースも珍しくはないので、年齢だけで諦めないでください。
▼まとめ
今回は、インプラント治療における年齢制限について、名古屋市中村区の名駅ファイン歯科・矯正歯科が解説しました。
インプラント治療に厳密な年齢制限はないものの、未成年や全身状態が良くない高齢の方は適応外となるのが一般的です。
とはいえどちらにも例外があり、ケースによってはインプラント治療が可能となることもあるため、関心のある方はまず歯科医院に相談することをおすすめします。