
インプラント治療を検討される患者様の中には、「インプラントの種類やメーカーによって違いはあるの?」「ありすぎて何がいいかわからない」と疑問をお持ちの方が多くいらっしゃいます。
実際、世界には100種類以上のインプラントメーカーが存在します。本記事では、世界で広くシェアされているメーカーの特徴やメリット、そしてお手頃なインプラントを選ぶ際の注意点を解説し、安心して治療を受けるための参考にしていただければ幸いです。
目次
■インプラントの主要メーカーは?
たくさんの種類があるインプラントメーカーの中でも、世界的に高いシェア率となっているのは以下のストローマン、ジンヴィ、ノーベルバイオケア、アストラテックなどです。
◎ストローマン(Straumann)
スイス発のストローマンは、世界シェアトップクラスのメーカーです。チタンの純度が高く、骨との結合(オッセオインテグレーション)が早い点が大きな特徴です。
骨量が少ない顎の方にも対応できる製品ラインナップがあり、長期的な予後データも豊富に報告されています。そのため、信頼性を重視する患者様に選ばれることが多いメーカーです。
◎ジンヴィ(Zimmer Biomet / ジンヴィ)
アメリカに本社を構えるジンヴィは、骨や関節の医療機器でも知られる大手メーカーです。シンプルで操作性の高いデザインが多く、外科的手技の安定性を追求しています。
また、インプラント表面の加工技術が優れており、骨との結合が良好に得られる点が評価されています。特に、治療全体にかかるの期間の短縮や、全身的に負担を減らしたい患者様に適していることがあります。
◎ノーベルバイオケア(Nobel Biocare)
スウェーデン発のノーベルバイオケアは、世界で初めて現代的なインプラント治療を実用化したメーカーです。CTやシミュレーションソフトと連携できるガイド手術システムが整っており、精密で安全性の高い治療を実現します。
インプラントの種類も豊富で、審美性を重視する前歯部の治療から、大きな力がかかる奥歯の治療まで幅広く対応できます。
◎アストラテック(Astra Tech / デンツプライシロナ)
アストラテックは、北欧の研究に基づく高品質なインプラントメーカーです。表面処理技術によって、骨や歯ぐきとの親和性に優れており、特に歯周組織の安定性が高いとされています。
歯並びや噛み合わせの調和を重視した治療計画にも適しており、長期的にインプラント周囲炎を起こしにくい構造が特徴です。
■主要メーカーのインプラントを選ぶメリットは?
◎信頼性と長期的な実績
主要メーカーは世界中の歯科医師に利用されており、長期予後データが豊富に存在します。患者様にとって「治療後何十年先まで使えるか」という点は大きな安心材料になります。
◎パーツの入手性が高い
信頼できるメーカーのインプラントは、日本国内でも多くの歯科医院が取り扱っているため、将来的に転居した場合や医院を変えた際もメンテナンスや修理を行える場合があります。これにより、継続的な安心感が得られます。
◎科学的根拠に基づいた安全性
主要メーカーの製品は、医学的研究や臨床試験に裏付けられた安全性を持っています。安定した骨結合、歯ぐきの健康維持、噛み合わせの調和など、長期的にトラブルを防ぐ仕組みが備わっています。
■費用負担の少ないインプラントメーカーについて
インプラントの種類には、費用が安くマイナーなメーカーも。負担が少ないため魅力を感じやすいですが、以下の点に注意する必要があります。
◎部品交換や修理が難しい
導入実績がまだ少ないインプラントメーカーは、国内での流通が限られていることがあります。将来的にインプラントの上部構造(人工歯)が壊れた際、対応できない可能性もあります。
◎臨床データが乏しい場合がある
メーカーによっては、長期的な臨床データが十分に蓄積されていないものもあります。見た目や初期の安定性が良くても、10年、20年後の予後を考えることが大切です。
◎自費診療だからこそ慎重に
インプラントは原則保険が適用されない自費診療です。価格だけで選ぶと将来的な再治療が必要になったり、結果的に費用もリスクも増える場合があります。
長期的な視点で「安心して噛めるインプラント」を選ぶことが、健康的なお口を維持することにもつながるでしょう。
■まとめ
インプラントは製造元の考え方や研究開発の方針によって、特徴が異なります。ストローマン、ジンヴィ、ノーベルバイオケア、アストラテックといった主要メーカーは、長い歴史や豊富な臨床実績があり、多くの歯科医院でも導入されています。
インプラントには様々な価格帯のものがありますが、将来のメンテナンスや耐久性を考慮することが重要です。患者様の顎や歯並びの状態に合わせ、歯科医師とよく相談して、ご自身に合ったインプラントを選びましょう。

